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安売りのチラシが頒布されました。その内容から見えること

年末年始・お彼岸・お盆等の時期に、このホームページをご覧になった皆様がお住まいの地域でも、その地域の石材店が頒布する新聞の折り込みチラシを目にする機会があると思います。その折り込みチラシの内容は、「上代からの値引きがすごい」「デザインが凝っている」「扱っている石種が豊富」「市町村または県をまたいで比較的広い範囲を商圏としている」「展示場が広く品数豊富」「売る人間の顔写真がない」・・・といったところでしょうか。
このコラムのページでは私が長年・・・といってもまだ25年程度ですが、これまでの積んできた自分の経験・知識から「これはないよな・・・」といった内容をご紹介したいと思います。ただしあくまで個人の主観です。以下「これはないよな・・・」をその理由を添えてご紹介したいと思います。


社長コラム
1月に折り込まれたチラシのこと
チラシに掲載の墓石は100%中国加工品と思われます。そして中国のお正月(春節祭り)は1月の下旬から始まります。このチラシをみて商談に行き契約となるのが早くても1月中旬のころでしょう。注文をしたお客様は春のお彼岸までに・・・という考えかと思われます。
しかしこのころの中国工場は春節前のラッシュに入っておりこのころの注文は後回しとなります。ところが工場の職人たちは20日頃を境に郷里に帰り始めます(もともと石職人は内陸部からの出稼ぎが多い)。おのずと工場の稼働率は下がります。稼働率とともに製品の品質も落ち始め、春節を迎えるころにはともに最悪と言っていいほどになります。
春節を終えどうなるか・・・。徐々に回復するのですが職人の数・品質とも1か月前の状態に戻ることはなくなってきています。それは「郷里に帰った職人が春節を過ぎても帰ってこないからww」。そんななかに腕の良い職人がいるとしましょう。会社としては何としても繋ぎ止めたいがために「給料アップ」という作戦に出ます。その人たちのおかげでなんとか今の品質がなりたっているのです。ただ今の中国国内の発展ぶりを見ればわかるとおり、内陸部であっても今は仕事があります。離れた土地の「きつい・きたない・給料安い」の石材業界よりも近くて割の良い仕事があればそちらに流れてしまうのは致し方ありません。墓石の価格が上がった理由はこんなところにもあります。
「チラシを入れること」は「お客様を呼べる」ということです。しかし通常よりも不良品を負うリスクが高まるこの1月にチラシを入れることが正しいのか。仕事がほしいのはお互い様ですが、大きな会社ほどよく考えていただきたいと思ってしまいました。
扱っている石の種類が多すぎるのでは・・・
扱っている石の種類が多いことはお客様の選択肢が多いので良いことと思われがちです。
しかし私の「基準」からすると掲載された石種には扱わないものの方が多いです。また当社でも、ほかの石材店様でも使用した実績のない石の掲載はどうでしょう。掲載の中には私も気になる石種がありますのでぜひ使ってもらって実績を積んでいただき、経過を観察させていただきたいと思います。
そんなこと言っていると気に入っているのになくなってしまうのでは・・・
石選びはそれでよいのです。長期にわたって採掘できない石は採掘初期のみ良品で、掘っていくほど不良が増え始める傾向があります。それを見極めるには数年時間がかかります。場合によっては掘り進むほどよくなることもありますので焦る必要はないのです。
デザインに自信があるようですが・・・
これについては私なりの、お客様なりのセンスがありますので一概にどうとは言えませんが、一つだけ言えることがあります。それは「お墓は永年屋外にある」という意識が足らないのでは・・・ということです。
とあるお坊さんがおっしゃいました。「墓石の汚れは、心の汚れだ」と。
石材にデザイン性を持ち込むと絶対的に凹ます方向で飾り立てます。それは良いのですが、その凹ませ方をよく考えないとお客様にご迷惑をかけることになります。そのご迷惑とは「掃除のしやすさ」についてです。出来上がった時が一番きれいだった・・・ではなく、「掃除がしやすいからいつもきれい」が私のデザインするうえで気にしていることです。もっともチラシを出した石材屋さんが毎月永年にわたってタダで掃除をしてくれるのでしたら話は別ですが・・・。
社長コラム
まさか下請さんが施工しないよね
おそらくかなりの確率で、ほぼ下請さんです。
チラシを広範囲にわたって頒布するということは絶対的な仕事量は一時的にせよ増えます。また価格重視なお客様には絶対服従してでも仕事を獲得する営業マンがいるはずです。その仕事量をこなし給料という「コスト」を抑える必要性また、納期厳守という約束をかせられますから自社の従業員よりも下請さんを使うほうが効率的なのです。
経営側は楽ですよ、仕事量に対しての賃金しか払わなくて良いのですから。しかも継続して仕事をまわすという約束を条件に安値で工事をさせますから。
そういう上下関係があるからこそあの金額が提示できるのです。下請さんは早く終わらせて早く帰りたい、次の仕事の納期がせまっている・・・そんな事情が先立つとじっくりと良い仕事はできません。この場合効率と安心は、はたして「イコール」もしくは「効率<安心」になっているでしょうか。
社長コラム
検査・検品は中国工場まかせなのですね
そう書いてあるし、その写真もあります。
では日本に入ってからはどうかというと、「抜き打ち」のようです。納品された製品を全量・全品検査しているわけでないようです。
ですからほとんどの製品は輸入された状態の木枠梱包かそれに近い状態で現場に運ばれます。そこではじめて気づくのです、「作り手の『心・気持ちが』足りなかった不良品」が混ざっていたことを。この場面で「交換」という手段を取れる「心の強い人」がいたなら救われますが、現実はおそらく・・・「なんとか収めてしまえ」。もっともなんとかなるものであればですが・・・ということが起こりうる可能性が極めて高いのです。ばれなければ大丈夫という「心」をもって仕事をするのと、ダメなものを時間がかかっても交換して「安心」して仕事ができることはお客様にも「安心」を提供できたということにつながると思いますが、いかがでしょうか。
本当に そのカタチ その金額でお建てになるのですか?
これはそのチラシを見て心が揺れたお客様へ、気持ちの整理を促す意味を込めて訴えかけた一言です。もう一度よく考えてください。
心が惹かれた理由は結局「価格」だけではありませんか?
私どものような小さな石材店では「価格」という観点からすると正直一歩及ばないかもしれません。そうです、扱う「物量」の違いで安値に結び付きにくいからです。これは市場原理からもご納得できることでしょう。ゆえに掲載の価格はその市場原理、いうなら「数字のみ=価格優先」にて作られているといってもよいでしょう。
しかし私どもの取り組みでははっきり言って数字は一番「最後」です。まず考えるのは「品物ありき」。私どもの原動力はお客様の「心の安心」です。「心の安心」を手に入れていただくため、「安心の製品をお届けするため」により多くの人間が経験と知恵をしぼっています。そしてその結果が数字=価格となっています。単に「安価」な価格にこだわって決めるか、より「安心」を求めるか・・・。判断はおまかせいたします。
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